膝蓋骨(膝のお皿)は膝を伸ばす運動のときに大変重要な働きをしています。
この膝蓋骨の上には大腿四頭筋(ふとももの前にある膝を伸ばす筋肉)が、下には膝蓋靭帯が付いており、ジャンプやキックのような膝を伸ばす動作を激しく繰り返していると、その部分に過度のストレスが加わり、痛みが現れるスポーツ障害をジャンパー膝といい、膝蓋靭帯炎とも呼ばれ、バレーボール、バスケットボール、サッカー、トラック競技など、ダッシュ・ジャンプなど最大瞬発力を多用するスポーツ競技によく見られる障害である。ジャンパー膝は10代の若年スポーツ選手によく見られます。
症状は、膝蓋骨の上端や下端に痛みがあり、特に下端部によく痛みが発生し、痛みのある場所に腫れを伴うことが多く、スポーツの後に痛みが強まることが特長です。しかし初期にはジャンプができないわけではないので、我慢して続けていると慢性化してしまいます。
スポーツ指導はまずジャンプや瞬発系動作の制限や症状の程度によってはジャンプや瞬発系動作を中止し、練習前に充分なウォーミングアップとストレッチングを行い、特に大腿四頭筋のストレッチングは充分にするよう努め、また、ジャンプや着地の方法を変え、底の厚いシューズを利用し練習する方法も合わせて指導しましょう。
痛みを軽減させるのにアイスマッサージ・アイシング・湿布・ストレッチング・電気治療などが効果的です。また、練習時や試合時はテーピングにより痛みを軽減させ、スポーツ活動は可能です。
ジャンパー膝はジャンプ、キック、瞬発系動作の多い競技や過度の練習あるいは短期間・短時間にハードなスポーツ活動をする事で頻発します。
現在の症状がスポーツ活動の制限期か中止期か、あるいは軽度にスポーツ活動が可能な時期か、的確な判断を要します。的確な判断を怠るとスポーツ活動の長期間制限を余儀なくされます。また、自己判断はいたずらに治療を長引かすことになりかねません。自己判断はせず、かならず専門医の指示を守り、適切な治療・指導を受けましょう。
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